災害時こそ狙われる→サイバー×物理災害「複合リスク」の現実|2026年8月第1回

災害時こそ狙われる ― サイバー×物理災害「複合リスク」の現実|サイバーレジリエンス株式会社
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令和8年熊本地震で亡くなられた方々へ、謹んでお悔やみ申し上げます。
2026年7月28日に発生した地震により、多くの尊い命が失われました。被災されたすべての方々の安全と、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

「地震対応中にサイバー攻撃も来たら?」
この問いに答えられる企業は、まだほとんどありません。複合リスクへの備えを、一緒に考えましょう。

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2026年8月5日(水)|Vol.5(8月第1回)

🔴 災害時こそ狙われる
サイバー×物理災害「複合リスク」の現実

先週の特別号では、令和8年熊本地震から「IT-BCPの盲点」を考えました。 今週はその続きとして、「災害が起きた瞬間、攻撃者も動き始める」という 複合リスクの現実をお伝えします。

本記事に掲載しているのは、警察庁・専門機関・報道機関が確認・公表した情報のみです。 確信度の低い情報は掲載していません。

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警察庁が注意喚起中(2026年7月29日): 令和8年熊本地震に便乗した詐欺・偽情報の発生が確認されています。 企業の従業員が業務端末・私物端末で被害に遭うリスクがあります。
出典:警察庁災害情報専用X(@NPA_saigaiKOHO)

🗒️ この記事の3行まとめ

  • 熊本地震発生の翌日から、警察庁が確認した便乗詐欺・偽情報が複数手口で拡散。企業の業務端末も標的になりうる。
  • 生成AIを使った偽動画が「数万回再生」——国立情報学研究所の専門家が「明らかにAI生成」と判定した事例を含む。
  • 災害時はIT担当者が被災対応で手薄になる。平時より「検知・対応の遅延」が起きやすく、攻撃者にとって好機となる。

📍 SECTION 01|地震発生の翌日に何が起きたか

令和8年熊本地震(2026年7月28日16時27分発生)の翌日、警察庁は公式Xで「震災に便乗した悪質事犯」への注意喚起を発出しました。以下は、確認・報道された事実のみです。

🎣 警察庁確認:5つの詐欺手口

警察庁(2026年7月29日)が公式Xで確認・注意喚起した手口:

  • 1公的機関・団体をかたり、義援金名目で金銭をだまし取る
  • 2被災者宅を訪問し、家屋修繕と称して不安をあおる
  • 3SNS投稿やメールに添付したQRコードから詐欺サイトへ誘導
  • 4日本赤十字社等をかたるなりすましメールでURLクリックを誘導
  • 5被災者を装い電子マネーの送付を求める

出典:警察庁災害情報専用X(2026/7/29)act1.co.jp(2026/7/31)

🤖 生成AI偽動画が「数万回再生」

イオンモール熊本の爆発映像を装った生成AI偽動画がSNSに投稿されました。 国立情報学研究所の越前功教授がFNNプライムオンラインの取材に対し、 映像内の複数の矛盾点(路面の変化・逆歩行の不自然さ・消防車の色の違い)を根拠に 「明らかにAIで作られたものと考えていい」と判定しています。

また、YouTubeでは報道機関のニュースを装う生成AI偽動画が投稿され、 NHKの取材によれば数万回再生されました。

出典:piyolog(2026/7/30)ITmedia NEWS(2026/7/30)

⚠️ 偽の救助要請で消防・警察リソースが消耗

防災・危機管理サービスのスペクティ(2026年7月29日)が確認: 「氏名以外はほぼ同一の文面」「同じ住所」を記した偽の救助要請が 複数のアカウントから発信されていることを確認し、注意喚起しました。

こうした投稿は消防や警察の救助リソースを消耗させる影響があり、 実際の被害者への対応遅延につながるリスクがあります。

出典:act1.co.jp(2026/7/31)

📍 SECTION 02|なぜ「災害時」にサイバーリスクが高まるのか

⚡ 攻撃者の視点

「IT担当者が被災対応で手薄になっている」「社員が不安な状態でメールを確認する」「義援金への善意が判断力を鈍らせる」——これらはすべて、攻撃者にとっての好機です。

リスク項目 平時 災害時に加わる要因
フィッシングメール 通常の警戒水準 「義援金」「支援情報」を装ったメールへの警戒心が低下高リスク
偽情報・なりすまし 公式・非公式の区別が比較的つきやすい 情報が錯綜し、生成AI偽動画・偽SNSが信じられやすい高リスク
IT部門の対応体制 通常の監視・対応体制 BCP対応・施設確認・安否確認で監視が手薄になる中リスク
委託先・取引先 通常の連絡・監視が可能 被災地の委託先がシステム停止・連絡不通になる可能性中リスク

「Kaseya事案」から学ぶ:対応中にも攻撃は来る

ニュートン・コンサルティングの複合災害研究によれば、2021年のKaseyaランサムウェア事案では、 攻撃対応の最中に、Kaseyaの通知を装ったフィッシングメールが顧客向けに送信される という「追い打ち型攻撃」が発生しました。 物理災害もサイバー攻撃も、「対応中」こそが最も隙が生まれる瞬間です。

※Kaseya事案(2021年)は確認済みの過去事例です。 出典:ニュートン・コンサルティング BCMナビ

📍 SECTION 03|企業として今すぐできること

  • 社員への注意喚起メールを1本送る
    「熊本地震に便乗した詐欺メール・SNS投稿に注意。業務端末でQRコードを読み取る前に必ず確認を」という内容を全社員に共有してください。 文面のひな形が必要な方はご連絡ください。
    🔴 今日中に
  • 「IT担当者が不在の場合」のルールを確認する
    「IT担当者が被災・避難中に不審メールが届いたとき、誰が・何を確認するか」をチーム内で話し合う場を設けてください。 15分の机上確認から始めて十分です。
    🟡 今週中に
  • 既存BCPに「サイバー×物理複合」シナリオを1行追記する
    「地震発生時、IT担当者が不在の状態でランサムウェアを受信したら」という1行のシナリオを 既存BCPに追加するだけで、訓練や議論の出発点になります。 特別号(7/29)の「統合BCP 5ステップ」も参考にしてください。
    🔵 今月中に

📋 2026年7〜8月シリーズの流れ

  • 7/1 第1回 アフラック生命保険 438万件漏洩。「攻撃者が10日間いたことに気づかなかった」組織の内部統制問題。
  • 7/8 第2回 バンダイチャンネル事件。15歳がChatGPTで攻撃コードを生成した「攻撃の民主化」。
  • 7/15 第3回 ニチレイ攻撃でKFC全店舗停止。「自社を守っても委託先から止まる」サプライチェーンリスクの顕在化。
  • 7/22 第4回 RansomHouse犯行声明・WordPress・7-Zip脆弱性が同時発生。「アップデート放置が命取りになる週」。
  • 7/29 特別号 令和8年熊本地震。「地震BCPとIT-BCPの統合」こそが、今この瞬間に問われている。
  • 8/5 Vol.5 地震翌日から拡散した詐欺・AI偽動画。「災害時こそ狙われる」複合リスクの現実。

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🔗 ブログ記事一覧:cyber-resilience.co.jp/security-measures-lab/

参考・出典(確認済みのもののみ掲載)

  1. 警察庁災害情報専用X「震災に便乗した悪質事犯に注意」(2026/7/29)x.com
  2. act1.co.jp「令和8年熊本地震に便乗する詐欺とSNS偽情報が拡散 警察庁が注意喚起」(2026/7/31)act1.co.jp
  3. piyolog「令和8年熊本地震に乗じたSNS上の偽情報についてまとめてみた」(2026/7/30)piyolog
  4. ITmedia NEWS「熊本地震でSNSにデマ拡散 偽の救助要請や募金詐欺、AIを信じ本物を誤判定も」(2026/7/30)itmedia.co.jp
  5. ニュートン・コンサルティング BCMナビ「なぜ、今、複合災害〈マルチハザード〉訓練なのか」newton-consulting.co.jp
  6. 気象庁「令和8年7月28日16時27分頃の熊本県熊本地方の地震について」jma.go.jp

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